保険証を持っていますか?
もし何らかの理由で保険未加入だった場合、医療機関を受診する時の費用は10割負担となります。
保険証を持っていれば3割負担、このことは、皆さんもちろんご存じのことと思います。
しかし、病気や怪我というのは突然起こります。
普段、めったに病院などへは行かないから大丈夫と思って、保険未加入のまま放っておくと、いざという時に大変な目に遭います。
日本は国民皆保険ですので、原則、健康保険には加入しなければなりません。
それでも色々な理由があって、保険証を持っていない人がいるのです。
そして、困ったときにやってはならないことをしてしまいます。
そのひとつが、他人の保険証を借りて医療行為を受けるなりすましです。
この記事では、なぜなりすましが横行するのかを明らかにし、保険証がなくても病気や怪我でどうしても困ったときにできることをご紹介します。
保険証の紛失や未加入でも受診できる 人から借りるなりすましは罪
他人の保険証を借りて、なりすまし受診する理由は人によって様々です。
非常に特異なケースですが、つい先日なりすましに関するニュースが飛び込んできました。
ビートたけし健康保険証不正使用疑惑
週刊新潮が報じたものです。
ビートたけしの新妻が、たけしの元運転手兼弟子だった男性の保険証を使用して、新妻が懇意にしていた医院から、たけしの薬を出してもらっていたというのです。
たけしの保険証は当時、まだ正妻だった女性が管理していて、それを取りに行かせることを嫌った今の新妻が、このようなりすまし行為をさせたというのです。
たけし自身は、これを元弟子の売名行為あるいは金欲しさで言っていることだとして、なりすましを否定しています。
金銭的な問題で保険料が払えない
上記の例は特別で、本来、保険未加入で保険証を持っていない人の大半は、金銭的な理由からであることが多いです。
無職あるいは失業中
生活困窮者で、例えば住所不定、住民票もないという人が、病気や怪我をして病院に行っても10割負担だととても払えきれず、やむをえず他人の保険証を借りて受診するケースがあります。
短期滞在の外国人
外国人によるなりすまし受診は非常に多く常態化しています。
日本では、3カ月以上の在留期間がある外国人には健康保険加入が義務付けられています。
しかし、高額な保険料を嫌気して未加入のままの外国人も多く、3カ月未満の短期滞在予定の外国人は日本にいる間はほぼ未加入で保険証を持っていません。
従って、突然具合が悪くなった場合、「誰か保険証を貸してください」とネットで呼びかけているようなことも実際にあるのです。
なりすましは何故バレない?
結論から言いますと、健康保険証を見てみるとわかるように、顔写真がなく、年齢、性別等余程の不一致が認められなければ、本人ではないことをすぐに見抜くことは困難です。
厚生労働省はなりすまし防止策として、公的医療機関を受診する際に、顔写真付きの身分証の提示を求めるように依頼しました。
しかし、外国人は在留カードがありますが、日本人全員が顔写真付き身分証を何かしら持っているとは限らないため、解決すべき課題は残ります。
そもそも保険証に顔写真を付ければよいのではと考えるのですが、準備する側と作成側の負担を考慮して顔写真付きにはしないということだそうです。
保険証がない場合にとる方法
なりすましという詐欺行為を考えるより先に、保険証がなくても負担なく医療受診できる制度があることを知っておきましょう。
生活保護による医療扶助
生活保護受給者の場合、原則として医療費の全額が医療扶助から支給されます。
ただし、収入が最低生活費を超えている場合はその分だけ自己負担が発生します。
無料低額診療を受ける
無料低額診療を行っている医療機関に相談し、経済状況などから生活困窮者と判断されれば、医療費の減額、または無料で受診することを認められる社会福祉法で定められた制度です。
こういった医療費の減免措置は、相談者の収入等を鑑みて医療機関でそれぞれ判断しますので、給与明細など収入を証明する書類の提出を求められることがあります。
また、受診することは無料になったとしても、処方された薬の代金は基本的に免除にはならないため、自己負担しなければなりません。
最後に
他人の保険証を借りて使用することは詐欺罪にあたりますので、決して行ってはいけません。
貸した人も同様に罰せられます。
保険証を借りたい人は理由があって保険未加入であることが多いので、保険証がなくても低額や無料で受診できる方法があることを教えてあげましょう。
特に金銭的に困っているというわけでもなく、もったいない、あるいは面倒だからと健康保険料を払っていない人がいたとしたら、早めに加入申請を行ってください。
この先、マイナンバーカードが保険証として使えるようになります。→通知カード廃止でマイナンバーカード申請 ポイントや保険証にもなる
突然の病気や怪我で必要になった時、あわてて申請しても、国民健康保険は今まで支払われていない保険料全額を納めなければなりません。
普段からの備えが大切です。
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