なぜ24JAPANの唐沢寿明はジャックバウアーになれないのか?

銃を構えている 芸能エンタメ

24 -TWENTY FOUR-は2001年にアメリカで放送されて、世界的人気となったアクションテレビドラマです。

アメリカで初回放送されてからすでに20年経過していますが、日本国内でもジャックバウアーの名前くらいは知っているという人も多いはずです。

このドラマのファンで全シーズンを何度も視たという人、それとは別に声真似など色々なパロディにもなっているので知っているという人もいるでしょう。

そんな24 -TWENTY FOUR-が、現在日本でリメイクされています。

リメイクされた日本版24 -TWENTY FOUR-は2020年10月9日からテレビ朝日「金曜ナイトドラマ」枠で23:15~放送中です。

その他、テラサなどの動画配信サービスでも視ることができるようです。

 

 

24 -TWENTY FOUR-は人気なので、リメイクである24Japan も是非見てみたいという人も多く、当初は話題性もあり注目度が高かったのですが、深夜枠ということもあり、どうやら全話しっかり見逃さずに視ている人は多くはないようです。

その点に関しては、視聴率の推移などを交えて後に語るとして、疑問なのは2つです。

  • なぜ、大人気海外ドラマ24 -TWENTY FOUR-のリメイク日本版24Japan がさほど振るわないのか?
  • 主演の唐沢寿明さんがジャックバウアーと重ならないのはなぜか?

2つの疑問の答えはたった1つだけです。

すなわち、リメイクするには時間がたちすぎていたことが最大の原因です。

この記事では、リメイクに時間がかかった理由と、そのために辻褄が合わなくなったことをご説明しながら、24Japan について深掘りしていきます。

24 -TWENTY FOUR-のファンの方はもちろん、全く知らないという若い方にとっても興味深い情報となり、きっと24Japan を視てみたくなるでしょう。

 

 アメリカ連邦機関CTU(テロ対策ユニット)の捜査官ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)が、凶悪なテロ事件と戦う姿を描いた米国ドラマ『24』(邦題:『24 -TWENTY FOUR-』)。本作は2001年に放送を開始するや、1シーズン(全24話/24時間)をかけて1日の出来事をリアルタイムで描く革新的なスタイル、そしてスピーディーかつスリリングな展開で視聴者を圧倒し、世界的大ヒットシリーズとなりました。そんな超大作を、テレビ朝日が20世紀FOX社と組んでリメイク!“米国史上初のアフリカ系アメリカ人大統領”が誕生するまでの24時間を描写したオリジナル版のシーズン1をベースに、初の日本版リメイク『24 JAPAN』では“日本初の女性総理”が誕生するまでの24時間を克明に描きます。

引用元:テレビ朝日公式HP「24Japan 」

 

 

※この記事は独自の取材とルートで得られた情報に基づいて作成しています。

なぜ24 JAPANの唐沢寿明はジャックバウアーになれないのか?

平均視聴率推移

初回放送 7.7%

第二話  5.3%

第三話  4.5%

            以降、4%台で推移 (ビデオリサーチ調べ)

24Japan の平均視聴率は率直に言って予想を大きく下回っており低迷中です。

何とか打開したいという制作側の気持ちが伝わってきます。

年末年始にかけて、今までのストーリーを振り返ると称して一気に再放送もされました。

 

 

なぜ、ここまで視る人が少ないのか。

やはり、アメリカで大ヒットした24 -TWENTY FOUR-とは20年の時の経過により、すでに時代も視る人の心境も変わってしまっているのです。

時代背景の違い

24 -TWENTY FOUR-がアメリカで初回放送された2001年に起きた大きな出来事として言及しておかなくてはならないのは、同時多発テロ事件です。

その後もアメリカ国内ではテロ事件が続きましたが、人々が不安な気持ちで暮らしている中、強い意志を持って時には強引に正義を貫き通すジャックバウアーを視て、世界中が勇気づけられたことは異論のないところです。

そういった凄惨な事件を対岸の火事としてしか見られない、とまでは言いませんが、今の日本人が2001年のアメリカ国民と同じ気持ちを共有できるかというと少し自信がありません。

テロの脅威ということだけに絞れば少なくとも、当時のアメリカと比べて日本はかなり安全な国だといえます。

アメリカ同時多発テロ事件(アメリカどうじたはつテロじけん、英: September 11 attacks)は、2001年9月11日(火)の朝、イスラーム過激派テロリスト集団アルカイダによって行われた、アメリカ合衆国に対する4回の協調テロ攻撃である。この攻撃により、2,977人が死亡し、25,000人以上が負傷し、長期にわたる健康被害に加えて、少なくとも100億ドルのインフラと財産の損害が発生した。人類史上最悪のテロ攻撃であり、消防士と法執行官の犠牲者はそれぞれ343人と72人で、アメリカ史上最悪の事件である。

引用元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大統領制と議院内閣制の違い

これもリメイクする上で制作側が相当苦労したのではないかと想像できます。

そして、24Japan を視る人にとってはとても違和感を感じる部分でもあるのです。

24 -TWENTY FOUR-ではパーマー大統領がまだ大統領になる前、選挙までの時間を家族とともに緊張感を伴いながら過ごすというシーンは納得できました。

しかし、24Japan の場合、内閣総理大臣は国民の直接選挙でないことや、ほとんど最大与党の党首が指名されるという点から、どうしても国会議員同士の折衝が多くなり、家族より党と一緒に選挙を戦うイメージがあります。

これらは一例ですが、日本に合わせてリメイクをしたことで、この他にも齟齬をきたしている部分が多いのが視聴率低迷の一因です。

深夜枠の意図の違い

原作である24 -TWENTY FOUR-の放送時間は、テロという凶悪な事件と戦うストーリー上、拷問などの残酷な描写や暴力的シーンも多く、アメリカでの放送時も21:00という遅めの時間帯でした。

日本で放送された時も、最初はBSフジで深夜0:00~、後に21:00~となっています。

24Japan の場合は、23:15~という更に深い時間帯に放送されていますが、これは同じ深夜枠と言っても、その意味するところはだいぶ違っています

60周年記念番組

本来、24Japan はテレビ朝日開局60年記念番組として大々的に放送される予定でした。

ところがふたを開けてみれば深夜枠で、視聴率も低迷中です。

こうなってしまった理由は様々な事情が複雑に絡んでいます。

まず、放送時間ですが、たしかに日本版24も原作のストーリーを忠実に再現している部分がある以上、暴力的な描写があります。

しかし、原作に比べると、「やはり日本版だな」と納得できるくらい柔らかな表現に直されている部分も多いです。(例えば、骨折の痛み止めを注射するシーンが歯の痛み止め飲み薬になっている等)

深夜放送になった主な理由は、東京五輪開催との兼ね合いで人気ドラマをすでに配置済みで、深夜枠しか空いていなかったからだと言われています。

実際、キャスティングや放送時間に至るまで、60周年の大きなプロジェクトの割には、事前告知が相当遅れるなど、当初からお粗末な点が目立っていました。

24Japan の再現性

24Japan は原作のストーリーをセリフに至るまで忠実になぞっているのに比べて、スリル満点のアクションや時には暴力的に映るリアリティさは失われてしまっている印象が大いにあります。

率直に言えば、アメリカには通じても日本では違和感が残る設定が多いということです。

例えば、二人の若い女性(唐沢寿明演じる獅堂現馬の娘と友人)が逃げまどうシーンがあります。

  • 誰にも一切会わない広い地域
  • 痴態行為で稼ぐ路上生活の若者
  • 話かけられてすぐに拉致しようとする携帯の男
  • 普通にひき逃げしていく車

短いストーリの中にこれだけおかしな場面が出てきます。

原作を視ている当時は、アメリカの地域には治安が極端に悪い場所もあると聞いていたので、さほど違和感はなかったのですが、今の日本でこれだけ治安が悪い地域が仮にあったとしても、なかなかピンときません。

原作ストーリーの暴力的描写は柔らかく変更しても、強姦などの生々しい話は残しているので、深夜枠で調整が進んでしまった感も否めません

アクションの違い

24 -TWENTY FOUR-は激しいアクションシーンが見どころの一つで、ジャックバウアーの強引な捜査や乱暴さも、テロに立ち向かう為には甘さを捨てなくてはいけないリアルを視聴者に感じさせるものでした。

ジャックバウアーの激しい口調や物言いは、声優の小山力也氏の力量が大きいところですが、ジャックを演じるキーファーサザーランドの演技力も光っています。

かと言って、日本版ジャックバウアーの唐沢寿明さんはアクション俳優出身ですので、演技においては少しも引けを取るものではありません。

実際、唐沢さんのアクション演技に賞賛の声があるのも事実です。

問題は、銃のあつかいやアクションの演出がアメリカと比べて少々チープになっている点なのです。

 


例えば、片手でパンパン乱射していたり、格闘にスピード感がなかったりと、原作に比べてどうしても見劣りしてしまいます。

これは、銃に関する演技指導の問題なのでしょうが、銃社会ではない日本の場合、銃の演出はあまり重視されていないのでしょうか。

 

原作を知る世代と原作を知らない世代

アメリカで24 -TWENTY FOUR-が放送されてから20年、原作を知らずジャックバウアーもわからないという人もいるかもしれません。

それなのに、そのどちらの世代も今作の24Japanを視ていないのはなぜなのでしょうか。

原作24 -TWENTY FOUR-のファン

原作を知る人は、そのストーリーとセリフがほとんど同じことで、だんだんと面白味がないと感じてしまっているようです。

忠実に再現したのは、アメリカの制作側にイメージを壊さないようにそのような厳しい要望があったからだとされています。

実際、リメイクの打診は随分と昔からしていたそうですが、許可がやっと下りたから、この時期に日本版がリメイクされたという事情があります。

その再現性をうれしいと思う人よりも、オリジナリティがなさすぎてつまらないと感じる原作ファンの方が多かったということです。

24Japanしか知らない視聴者

原作を知らずに24Japanを初めて視たという人は、これだけで十分楽しめているのではないかと個人的には思っています。

けれども、視聴率が不調だということは、こういった世代の方たちも視ていないということです。

その理由は色々考えられますが、やはり日本にそぐわない設定とアクション演出のチープさがリアリティを欠くことで、我々が初めて原作24 -TWENTY FOUR-を視たときのような衝撃は受けなかったのでしょう。

 

予告の一部分だけでも日本版とはだいぶ印象が違うことがわかります。

 

 

 

キーファーサザーランドと唐沢寿明

ジャックバウアーと獅堂現馬の印象の違いは、演じている二人の俳優の人となりがそのまま出ているようです。

キーファーはプライベートでも荒っぽいイメージのある俳優さん、唐沢さんはひょうきんな面もある柔和な俳優さんです。

キーファーサザーランド

映画「スタンドバイミー」において、不良グループのリーダーエース役で注目を集めたのは有名です。

しかし、その後はヒット作品に出演したという情報もあまりありません。

そのようないわば不遇の時代を経て、今回ご紹介している24 -TWENTY FOUR-で大ブレイクしているわけです。

 

2012年9月4日、ジャックバウアー役として一躍有名となって後、最新ドラマに主演することが決まって日本にも緊急来日しました。

 

 


 

人となり

インタビューに答えている姿とツイッター等で見られる普段の様子からは、ジャックバウアーのような荒々しさはなく、むしろ終始笑顔で優しそうな雰囲気を感じさせます。

しかし、そのような印象に反して、実はプライベートで彼は、数々の不祥事を起こしてもいます。

  • 飲酒運転⇒少なくとも2回以上、そのうち一つは保護観察中
  • 暴行傷害⇒知人女優が転ばされたことに立腹してその男性の鼻に頭突き

ジャックバウアーのような一面を元々持っているのかもしれません。

共演者からの批判

24 -TWENTY FOUR-のシーズン8で共演したフレディ・プリンゼ・Jrショーレ・アグダシュルーはキーファーのことを痛烈に批判して話題になったことがありました。

 

フレディ・プリンゼ・Jrオーティス捜査官を演じたキーファーより9歳年下の俳優さんです。

「『24』に出演したんだ。ひどかったよ。あの時のすべての瞬間を嫌っているんだ。キーファーは世界で最もアンプロフェッショナルな野郎なんだ。こう思っているのは僕だけじゃないと彼に面と向かって言うことができる。彼と仕事をしたことがある全員がそう思っているさ」

引用元:https://www.tvgroove.com/

 

ショーレ・アグダシュルーデイナを演じた女優さんです。

「彼との仕事はきつかったわ。彼って怒りっぽいの。私だけじゃなくて、みんなに怒っていたの。一日の終わりには、彼は自分自身に怒っているのかもって思ったわ」

引用元:https://www.tvgroove.com/

米放送局FOX社は否定していますが、飲酒で酔ったまま撮影現場に来たこともあるというような話もあり、現場のキーファーの態度についてはしばしば話題となっています。

ちなみに、キーファーは娘サラを自身の撮影現場のADとして仕事に就かせていましたが、そのあまりの態度の悪さにキーファー自身が解雇したというエピソードもあります。

 

唐沢寿明

元来、特撮やアクションものに造詣が深い俳優さんであったはずが、浅野ゆう子さんからのアドバイスにより、さわやか路線へと変更したと言います。

それ以降、さわやかな好青年というイメージが強い俳優さんとして活躍されています。

日本版ジャックバウアーとして引けを取らないのは、唐沢さんのこの昔からのアクション演技の才能に依存している部分が強いと考えられます。

人となり

とても明るい性格で、ブルースリーが大好き、歌唱力が高いことでも有名です。

これという不祥事や事件の話もなく、ドラマ「愛という名のもとに」でブレイクした好青年のイメージを保ったまま今に至っています。

 

二人の共通点

キーファーと唐沢さんの共通点は、無名時代に苦労してきたが、ひとつの作品をきっかけに一気にブレイクした俳優さんということです。

両者が異なるのは、その人となりで荒々しいキーファーの性格はジャックバウアーにそのまま表れ、唐沢さんのアクションの才覚は獅堂現馬にそのまま活かされています。

しかし、アクションには定評がある唐沢さんですが、従来明るい性格でさわやか好青年路線を走ってきた俳優さんです。

人の生命や国家の危機という大きなテーマを扱っているのに、日本版ジャックバウアーがどうしてもパロディ要素をぬぐい切れない理由はこの点にあります。

逆に、原作のジャックバウアーは生きるか死ぬかの緊張感がリアルに伝わってきますが、獅堂現馬はテロに立ち向かっているにしては、どうしても優しすぎるのです。

 

24Japanはどうなるのか

不調が続く24Japanですが、今後持ち直していく可能性もあります。

これまでご説明してきた通り、視聴率低迷の主な理由は、リメイクするまでに時間がかかり過ぎたことによる齟齬の発生です。

つまり、時が経過してさらに広がった日米の設定差が生んだ違和感やオリジナリティの欠如、そして強引で乱暴で強い正義感を持つジャックバウアーは日本版では再現できていないと言う点です。

考えてみますと、アメリカ初回放送時はジャックバウアーは35歳唐沢さんは現在57歳です。

年齢だけをみれば、唐沢さんのアクションと演技の才能は賞賛すべきものですが、惜しむらくは、やはり日本版はあくまで日本版なのです。

日本独自の24 -TWENTY FOUR-であるということで、原作と比較しない方が案外楽しめるのかもしれません。

 

ジャックバウアーの受賞歴

ジャックバウアーはキーファーサザーランド演じる24 -TWENTY FOUR-の役どころですが、実はアメリカエンタメ業界内で、数々の栄誉を受賞しています。

  • 米国版週刊TVガイドの『テレビに登場するヒーローランキング・ベスト50 (TV’s Top 50 Heroes)』では49位
  • 英国テレビ局のSky1の『テレビに登場するタフ男ランキング (TV’s toughest men)』1位
  • また、米国タイム社が発行する『エンターテインメント・ウィークリー』の『ポップカルチャー界で常にカッコいいヒーロー20人 (The 20 All Time Coolest Heroes in Pop Culture) 』の1人
  • 2010年6月には同誌の『過去20年間で最も偉大なキャラクター100人 (100 Greatest Characters of the Last 20 Years) 』に選出

引用元:出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本版ジャックバウアーである獅堂現馬が、日本国内だけでもこのような存在になり得るかどうか考えてみれば、24Japanというドラマが低迷中の理由も自ずと知れるところです。

しかし、ドラマは後半が始まったばかりです。

今後の展開次第では、24Japanのオリジナリティが出て、状況も打開できるかもしれません。

仮にもテレビ朝日開局60周年記念番組です。

普通に考えて、最初からシーズン1で打ち切る予定は薄く、原作がシーズン8まである以上(レガシーは除く)、日本版もそれに倣う案もあったはずです。

まずは、シーズン2に突入するかどうか、ファンとしては固唾をのんで見守っている所です。

 

 

原作24 -TWENTY FOUR-は一度は視るべき。

 

 

 

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